ねごとの小言

自担に甘いただのオタクの小言

映画「ブラック校則」における松本ミチロウ

 

 

ブラック校則、皆さん見に行きましたか?

私は運よく試写会が当たってその時に一度いち早く鑑賞したので、公開日に見に行った時、二度目ならではの見方もあるなと思いました。

 

 

さて、ここからは私の勝手な考察でブログが進んでいきます。

主演の佐藤勝利さんが「余白のある映画」と言っていたので、その余白の部分を想像しながら書いていこうと思います。

 

私が書きたいのは、ミチロウくんが教えてくれたリアル。

現在Huluが2話まで、ドラマが3話まで放送されている状態ですが、このブログは映画だけ見た場合の考察です。

 

 

まずはミチロウくんの設定から見直していきましょう。

 

生徒会副会長、柔道部、不良グループのボス。

典型的なカーストトップで、生徒から恐れられている教師 手代木の弱みも握っている。

嫌われつつも誰も逆らえず、自由を手にしている。

 

彼は本当に嫌な奴です。

高圧的だし、ずる賢いし、重要なところでは手を下さない。

彼が外階段で創楽と中弥を見つけて漆戸と七浦を行かせたシーンがまさに。

 

どういう経緯で暴力動画を撮影するに至ったのかわからないけど、それによって地位を得た。そして、漆戸と七浦はミチロウの地位を利用していたに過ぎない。

 

部活中のシーン。バスケ部の漆戸はスリーポイントの練習を馬鹿にされるも周りは続行させてくれる、野球部の七浦は守備練習が下手くそでも手加減される。

それは何故か?…権力のあるミチロウと仲がいいから。

 

漆戸と七浦は同じクラスで席も前後、壁に書き込まれたミチロウについての言葉を書いたのが「七浦ではないか?」と問い詰められた時、漆戸はフォローを入れていて、その漆戸のフォローの仕方がよくなかったために怒ったミチロウを止めているのは七浦。

だから本当に仲がいいのだろうというのが見て取れたけれど、ミチロウはクラスも違って、手代木からも一人だけ特別扱いされている状態。近くにいる二人からすれば、羨ましくてたまらないと思われていてもおかしくはない。

 

だけど二人はそれを口に出さず、ミチロウに従う。

何故か?…その方が学校生活が楽に過ごせるから。

 

 

つまりはミチロウが便利で使える手下だと思っている漆戸と七浦も、結局はミチロウを利用していて、お互いの利害の一致で成り立っていた三人組だったということ。

 

 

きっとそれはミチロウも気づいている。彼も馬鹿ではない。

だからこそ、創楽に怒るシーンでは自分で手を下している。このシーンでミチロウが自分で手を下したのにはもう一つ理由があるように思う。それは上坂樹羅凛の存在。

 

映画では彼女に思いを寄せているという設定があまり活かされていなかったように思うけれど、数少ない気持ちを見て取れたシーンのひとつがこの場面だった。

 

 

 

だけど、結局樹羅凛も創楽と中弥に協力するうちの一人になる。

この時のミチロウくんは、樹羅凛が創楽と中弥と話している姿を見て切なそうな顔をしていた。それはきっと恋愛的な悲しみと、正義感が強い彼女ですら味方ではなくなってしまったという、人間的な悲しみも含まれていたのではないかなぁと思う。

 

そして、手下の漆戸と七浦。

この二人も、最後のシーンで創楽、中弥に協力する。

ここで二人が協力するに至ったのは、ミチロウが「いじめんなよ?いじめはかっこわりぃからな」と自分は行かず、漆戸と七浦にだけ創楽と中弥のもとへ行かせたとき、二人に中弥が放った言葉が影響しているように思った。

 

「このままミチロウの下で終えるのか?」

 

 

この一言は、重かったと思う。

二人も薄々思っていたけど、結局は有利な立場に変わりないしと諦めていたであろうところに中弥のこの言葉。

 

結局ずっと有利な学校生活をくれていたミチロウではなく、自由を手に入れるために創楽と中弥に協力する道を選んだ。

 

二人が迷わずにミチロウとの有利な学校生活を手放したのは、本心を突いてきた中弥の言葉以上にミチロウに魅力がなかったから、と解釈した。

有利な生活の他にミチロウに魅力があれば、そしてあの時、もしも創楽と中弥のところにミチロウが自分で行っていれば、彼が孤独になることはなかったと思う。

 

 

何故ミチロウが孤独になった、と言い切ったのか。

彼がエピローグ的ラストシーン、いちごサンド500個配ります!のシーンにいないからです。

 

他のメインの登場人物がカメラに抜かれていく中、ミチロウの存在が確認できたのは壁の前に座る創楽と中弥の会話からのみだった。

「怒られるだけですむといいなぁ」という言葉からしてきっと権力は持ったままなんだろうけど、漆戸と七浦がミチロウと一緒にいないあたりからも孤独を察せる。

 

 

つまり。ミチロウは「したことは自分に返ってくる」と教えてくれる人物であり、この物語においてブラックな部分を担う重要な人物だったんじゃないか、ということです。手代木もそのうちの一人だけど、若年層的にはミチロウの方がリアルだったんじゃないかな。

 

 

 

ブラック校則は本当に心の深い部分を突いてくる作品でした。

ドラマとHuluはまだ残っているので、そこからまたわかってくることもあると思います。

特に今度放送の4話はミチロウくん久しぶりにドラマ登場するみたいなので楽しみ。

まだまだ目が放せませんね!!!